今年もこの季節がやってまいりました

念のためことわっておくと、この動画は「2010年1月1日〜12月31日に発売された、家庭用据え置きゲーム機のソフト」が対象になっている。PS3への移植がまだされていないFF14が対象外になっているのはこのためである。……出来ることなら移植されるまでに修正パッチが完成していることを祈りたいが。
さて、今年はノミネート4本。数が少ないので「不作か?」と思われるかも知れないがさにあらず。
スレの性質上1年間の勝ち抜き方式に近い形でノミネート作品が決定されていくため、年初に強烈なクソゲーが発売されるとそれ以降に発売された中途半端な内容のクソゲーは候補からはずされる仕組みになっているのだ(逆に年末にクソゲーが集中した2008年はノミネート作が多い)。
2010年の場合、1月に発売されたラストリベリオンのクソ度があまりにも高かったために、そのクソ度に匹敵せずと判断されたゲームは片っぱしから選外送りにされていったのである。ACE:Rとかね。
そもそもラストリベリオン自体、「目立ったバグがあるわけでもなく、間違いなく仕様書通りに完成しているはずなのにすべての面においてクソ」という、選考基準としてはこれ以上無いレベルのクソゲーであったため、ノミネートの基準も例年よりさらに厳しい物になったという背景がある。ラストリベリオンが「最強の門番」と呼ばれるゆえんである。
もちろん、動画の結論部分にもあるとおり、近年の不況にくわえ開発費の高騰により据え置きゲーム市場が縮小しているという背景もあるのだが。
ちなみに「レベルを上げて物理で殴ればいい」というネタは、「そんなのRPGならなんだって同じじゃないか」と思われるかも知れないが、こいつに関しては別格なのである。たとえばFFの場合だと、「敵の外見や攻撃パターンから弱点を推測、あるいはアビリティを駆使して弱点を探し出し、攻略パターンを作り出す」というのが基本的な攻略方法である。レベルを上げるのはどうしても弱点を見つけられないときのための救済策という色彩が強い。対してラストリベリオンでは、「物理攻撃が得意な主人公が弱点部位を探し出し、魔法攻撃の得意なヒロインが弱点を集中攻撃する」というシステムになっている。ところが、「敵の弱点候補(属性の数、攻撃可能部位など)が無意味に多く、しかも一切ノーヒント」であるため、膨大な弱点候補の中から手探りで探さなければならない。しかも、レベルが足りないと攻撃がまともに命中しないため、ある程度の経験値は稼いでおかなければならない。だが、動画でも触れられているとおりレベルが上がったときの成長率がぶっ壊れているため、ちょっとでも適正レベルを超えると弱点を探すために相手を殴っている間に勝手に敵が死んでしまうのである。つまり、「弱点を探している暇があったら」レベルを上げて物理で殴ればいい、ということになってしまうのだ。もちろん、相手の弱点を知り尽くした上で攻略するならば、物理で殴るよりも早く攻略できるようには設定されているらしいのだが、攻略サイトを見て弱点を調べている暇があったらレベルを上げて物理で殴ればいいのは言うまでもない。
ちなみにストーリーやキャラクターが極端に少ないのは、「もともとアクションRPGをつくろうとしていたが、アクション部分を作るだけの技術力が無かったために急遽RPGになった」という事情があるためだと一説には言われている。同じ会社の作品「ドラグナーズアリア」が似たような経緯を持つ作品であるのが理由らしい。開発者は……アクションもRPGも馬鹿にしているのか?
動画の中でお気に入りなのは「人生2」の「『無』を1000円で販売した」のくだり。『無』とはいったい……うごごごご! と某エクスデス先生のような叫び声をあげたくなる。去年も書いたとおり俺はWiiウェアXBLAのような配信型ゲームに新しいゲーム市場の可能性を感じているので、ああいうどうしようもないクソゲーが「人生ゲーム」の持つブランドイメージを悪用して市場を席巻するような自体には我慢がならないのである。しかも、新バージョンが公開されると同時に配信停止とは。普通、この手のタイトルで新バージョンが公開されたら旧バージョンを値下げするか、そのまま配信を続けるかどちらかだと思うのだが、わざわざ配信を停止するということはメーカー側に欠陥商品であるという自覚があったってことだよな。
それにしても、ノミネートした方の「人生2」は去年と違いフルプライス版であるにもかかわらず、旧機種やボードゲーム版で出来ていたことをまるごと削除したというのは信じがたい話。システム変更程度ならべつに珍しい話でもないが、削除した要素に替わる新要素が皆無というのは……これもブランドを悪用した詐欺商法みたいなもんだよなぁ。
 
さて、とくに近年は携帯機側に市場の中心が集まってきているので、携帯機部門は例年にないカオスな事態となっている。史上例を見ない鬼畜難易度である意味好評の「ハローキティのブロッククラッシュ123!」に前年度の覇者SSαが放つ苦行ゲー「大戦略パーフェクト」、めちゃくちゃなスケジュールで開発されたのかデバッグ皆無のまま発売され全国の無垢な女児たちを絶望の底へたたき落とした「プーペガールDS2」の三つ巴の戦いが展開され、2月も終わろうという今になっても審議が終わらないという異常事態になっている。どれが大賞をとってもおかしくないし、どれが大賞になっても爆笑必至の総評が待っていると思われるので期待して待ちたい。