というわけでbiggun氏にすすめられるままホイホイONE OUTSを見たらグイグイ引き込まれてしまったのだった。「野球版アカギ」という看板に偽りは無く、アニメ版のスタッフももれなくアカギなのであった。主演がハギーなのももちろんだが、作画がモロに。無駄に裸を強調するOPもモロに。

ONE OUTS-ワンナウツ-DVD-BOX First

ONE OUTS-ワンナウツ-DVD-BOX First

ONE OUTS -ワンナウツ-DVD-BOX Last

ONE OUTS -ワンナウツ-DVD-BOX Last


 安易な根性論、精神論に逃げずにあくまでも頭脳戦で戦うというスタイルが実にツボなアニメでありました。基本的にルールの隙を突いて裏技で戦う話なんで、リアリティとかは度外視。正直裏技野球だとは思ってなかったもんで、だいぶ虚を突かれた感じ。でもその割り切り方は好きだ。ちなみにbiggun氏は反則合戦サドンデスを推していたが、俺はイカサマ対決のほうが好きかな。王道といえば王道なんだけど、逆にハメ返したときのカタルシスはやっぱりそれだけの魅力があるから。あんまりネタバレしてもしょうがないタイプの話なので詳しくは書けないが、不確定要素によって作戦を変更せざるを得なくなるシーンが挿入されてるのもナイス。
 福本漫画をリスペクトしながらもあの作者の最大の欠点である無駄にくどくて長ったらしい説教を簡潔にしたところも好印象。1話のママの大演説でいやな予感はしたけれど(笑)、肝心の主人公がとても簡潔に要点をついた解説をしてくれるので苦痛は少なかった。女がまったく出てこないのも福本っぽい。いやこの作品のヒロインは捕手や監督やオーナーなんだろうきっと。声優も大御所だらけだし。
 残念なのは主人公のすごさを表現するために周囲のサブキャラたちがアホにしか見えないところ、それによってライバルキャラたちの個性を生かしきれてないところ。作者が予定調和な野球を批判しているにもかかわらず、バレバレなフラグにオーナーや敵チームが右往左往してる様に辟易とすることもあり、この辺はもうちょっとうまく描けたんじゃないの? という気がどうしてもしてしまう。主人公とまっとうに戦えてたのも結局高見ぐらいで、あとは正直策士策におぼれて自滅してるだけという印象が強い。もちろん、自滅に追い込む主人公の巧みな心理術を描くのがメインの話なんだからこれでいいのだろうけど。デスノートが成功したのって主人公の頭脳に真っ向から頭脳で挑むライバルとのぶつかり合いを主軸においたからじゃん? この作品にもそれがあればより完璧になったと思うんだ。同じ作者のライアーゲームは見てないからよくわからないけども、あっちにはそういう要素あるのかな?
アニメはアカギ同様いいところで終わるので、今後高見のような頭脳に頭脳で対抗する強力なライバルが登場するのであれば原作で続きを読みたい。
 
 それにしてもBGMいいなあこれ。