クソゲーオブザイヤー……それはその年に発売されたゲームの中で最低の一本を選ぶネタスレである。略称はKOTY。
ゲハ論争や過度のアンチ合戦を避けるため、多数決による投票はおこなわれていない。その選定はそれぞれの作品がいかにクソであるかを記した選評のなかから、「これは最もクソだ!」と住人が感じたソフトを中心に、その1年間に発売されたクソゲーたちをまとめた総評を書くことによって決定される。映画のゴールデンラズベリー賞などとは異なり、話題性や作品規模にはとくにこだわらず、ソフト一本の純粋なクソさが重要視される。とくに、伝説のクソゲー「四八(仮)」が大賞となった2007年以降、この傾向は一層強くなっている。
 
KOTYのあり方を根本から変えてしまった伝説のゲーム「四八(仮)」

大賞作品を決定づける「選評」および「総評」は、複数のスレ住人たちの手によって数週間から数カ月にわたって繰り返し推敲され、その文章のレベルは極めて高い。かくいう俺もこのスレのファンで、とくに伝説となった2007年以降はしばしばROMっている。とくに2008年を締めくくる「年末の魔物」の壮絶な戦いには大いに笑わせていただいた。
 
嫌な意味でバラエティ豊かな7本のクソゲーたち(通称、七英雄

 
そして2009年。年々厳しくなっていく選定基準、絶え間なく押し寄せるゲハ厨たちの猛攻をくぐり抜け、新たに5つのクソゲーがノミネートされた。

前年の受賞作に比べるとおとなしい印象を持たれるかもしれないが、それは大きな誤りである。ある意味で笑えた2008年にと違い、2009年を代表する作品群は純粋に商品としての価値が崩壊しており、もはやプレイ動画を見ているのすら苦痛という恐るべき事態にまで発展している。ストーリーも戦闘もただひたすら単調で退屈な「黄金の絆」、他のプレイヤーとの関わりも戦略性もすべてを投げ捨ててただ自分の金が増減するのを30分間眺めつづけるだけの「WiiWare版人生ゲーム」、バグだらけで1ターンすらまともにプレイできないばかりか、全年齢化に当たって削ったシナリオをいっさい補完していないせいでストーリーすらろくに楽しめない「戦極姫」……まさに純然たる無価値ゲーとして、今後もネットのどこかで語り継がれることだろう。