待つのは音楽産業以上の悲惨な未来か 出版業界を駆け巡る電子ブック狂騒の罠

http://diamond.jp/series/kishi/10075/
http://workingnews.blog117.fc2.com/blog-entry-2550.html
 
本体の価格を考えると、一般に普及するのはそうとう先になりそう。カメラみたいに携帯電話に標準装備されるぐらいにならないとビジネスとして成り立つのは難しいかな。
よく「電子媒体よりも紙のほうが保存性が良いから本は廃れない」っていうけど、逆に言えば長期保存しなくてもいい本、たとえば新聞や雑誌みたいに一回読んだらそれっきりポイみたいなジャンルの本に関してはむしろプラスなんじゃないかなぁと思うんですよね。流通コスト削れるってのは大きいだろうし。
でもそれ以上に既存の利権構造があまりにも大きく膨れ上がりすぎているから、普及するまでには相当な時間がかかるだろうし、それこそ音楽業界のように普及する頃には業界もボロボロになってたりするんだろうなぁ。
個人的に毎週ジャンプを自動的にダウンロードしてくれて、なおかつ代金が通常よりも安いというサービスがあったらいいなあと思うんですけどねぇ。
ケータイマンガサイトみたいなのも出来ているけど、料金が高すぎてそもそも市場を形成できるに至ってないのが現状です。
出版は文化事業という側面もあるから、安易な価格競争を起こすのは危ないという理屈はわからんでもないですが、商品そのものの単価を変えられないのならば他の方法で売り込む努力をしなければ生き残ることは難しいでしょう。
俺個人としては貸本屋みたいに閲覧制限を設ける代わりに料金を下げる、というようなサービスがあると嬉しいかもしれません。CDやDVDは基本買わずにレンタルで手軽に利用しているので。
 

1000円だからってバカにしてはいけない

まあ、修羅の国には勝てなかったけどね……。

総評ではサラっとしか書かれてなかったので、いったい人生ゲームのどのへんがクソなのか伝わりにくかったんじゃないかと想い、WiiWare版がいかにクソであるかを書いていたら誤って消してしまった。俺はあの人生ゲームはWiiWareはおろかXBLAやPSストアなどの低価格ゲーム市場を滅ぼしかねない巨悪だと思っているので、ああいう価格とブランドイメージを悪用した詐欺商品が堂々とまかり通ることは許せない。だが、だからといって、あんなのにもう一度書く時間を割くのも嫌なので、KOTYスレを読んでいて一番感銘を受けた選評を引用したい。この選評、「人生」の根本的な問題点を端的に示していて素晴らしい。なお、この選評はまとめWikiの個別ページに載っていないので
過去ログから転載した。

日本には安物買いの銭失いという言葉がある。
安い物は値段相応の品質しか無いのだから、買っても無駄になるだけだと戒める言葉であり、
時には安物に手を出した自分にも多少の非がある、という反省の言葉ともなる。
しかしこの年、この言葉だけでは片付けられないレベルのゲームが登場した。
それがこの人生ゲームWiiWare版である。
このゲームを一言で語るならば、「何も無い」これに尽きる。
バグは無い。
プレイする喜びもない。
ゲーム性すらない。
それがこのゲームの全てである。
これだけでは選評として不足であるので、以下にゲームの内容について説明しようと思う。
このゲームは多人数プレイ対応のボードゲームである。
ターンごとにルーレットを回してコマを進め、止まったマスのイベントをこなしながら、
プレイヤー中で一番のお金持ちになることがこのゲームの目的となる。
このゲームの問題点として、プレイヤーが出来ることが少ないということが挙げられる。
プレイヤーが出来ることといえば、
・ルーレットを回す
・分かれ道でルートを選択する
・カードマスで拾ったカードを使う(カードマスの数自体が少ない)
これくらいであり、しかもカードは○マス進む、という効果のものばかり。
相手を妨害することすら出来ないのである。
しかも運の要素がかなり強い。
ルーレットはもちろんのこと、どちらのルートがいいかなんて後のルーレット次第であるし、
カードマスに止まれるかどうかもルーレット次第、と運ゲーの様相を呈している。
出来ることが少ないだけでなく、ゲーム内容も非常に単調である。
プレイできるマップは一つだけ。
マップは比較的短いループとなっており、一度のプレイでも同じ場所を何度も通ることになる。
多少の分岐はあるものの、プレイヤーの行動によってマップが変化したりはしないため、
本当に同じ場所を繰り返し通過するだけである。
イベントが多彩ならば単調に感じることは無いのかもしれないが
マスに止まった際に発生するイベントの内容が、
・お金が増えるor減る
・喜びor悲しみが増加(maxになると金銭イベント)
・経験値を得る(ためる事で職業レベルが上がり、給料が増加)
などと金銭関連ばかりであり、それ以外のイベントはカードマスのカード入手くらいである。
公式では
「よろこびマス」や「かなしみマス」、「働きマス」で起こるイベントの数は100以上!
と謳ってはいるが、テキストが違うだけでイベントの種類自体は少ない。
加えて言うなら、このゲームにはゴールが無い。
他のゲームでは、ゴールが無いなら無いで他のプレイヤーを破産させたり、目標金額を達成して
特定地点を通過する等のクリア目標が設定されるゲームが多いが、このゲームにはそれすらない。
ただただ15ターンという制限時間があるのみである。
これらの要素が折り重なった結果、クリア目標に向かって邁進するわけでもなく、
ループするマップや代わり映えしないイベントに耐えつつお金を貯め、
やってくる終わりを待つだけという苦行のような単調さになってしまっている。
一人でプレイしても苦行になるだけであるが、多人数プレイにも問題がある。
多人数プレイのボードゲームというのは、パーティーゲームとしての役割も持つ。
しかし、このゲームにそんな役割を期待してはいけない。
致命的なまでに盛り上がらないのである。
先に挙げた単調さ等原因は色々と考えられるが、プレイヤー同士の不干渉も大きな原因であろう。
このゲームでは先述したとおり、他のプレイヤーを妨害するようなカードは無いし、
協力プレイするミニゲームも無い。
ゴールが無いので他のプレイヤーがあがってしまうかも、と言う緊張感も無い。
と、もうこれでもかと言うくらいに他のプレイヤーとの干渉を避けている。
干渉する部分と言えば一部マスでの金銭受け渡しぐらいのものである。
それぞれが別々にプレイしてスコアを比較するのと変わらないと言っていいくらい、
多人数でプレイする意義が無いのである。
これでは多人数プレイで盛り上がる訳が無い。
ゲーム性の部分だけでも悲惨な状態だが、これに演出が加わることによってさらに破壊力が増す。
プレイ中のBGMは1曲のみであり、わずか20秒ほどでループするため、
ただでさえ単調なゲームの単調さをさらに増幅している。
マスでのイベントではグラフィック無しのテキストのみで、
どうでもいいイベントを余計にむなしく感させる。
近頃は演出過剰なゲームも多いが、簡潔であればいいというものでは
ないということをしみじみと感じさせてくれる。
このゲームは人生ゲームと銘打ってはいるが、
全ての判断基準は金であり、それ以外は些事と言わんばかりのイベント。
行動の多くが運に支配され、金以外の目標は無い単調な日々の繰り返し。
他人の行動には干渉せず、干渉されることもなく。
しかし、得られた成果、成績は他人と比較してしまう。
そんなものがタカラトミーの言うところの人生なのであろうか。
少なくとも私は願い下げである。
せっかくWiiに標準で用意されているMiiを使用することが出来ないのは、
かえって幸運であったかもしれない。
最後に、このゲームのマスコットの片割れである天使の言葉を借りて選評の締めとしたい。
「みなさんお疲れ様でした。いい人生を送れましたか?」

 コンピュータに馴染みのない一般人にとって、ゲーム機をネットに接続すると言う行為がどんなに大変か考えたことがあるだろうか*1。そういう人にとって、初めて触れるダウンロードゲームがこんなゴミだったらと思うと悲しくて仕方ない。他の真面目なゲームさえも安かろう悪かろうだと思われてしまうからだ。
 タカラトミーは今は廃れてしまった2Dアクションや非弾幕シューティングを現代に蘇らせようと少ない予算で努力しているコナミカプコン、親しみやすいキャラクターでタワーディフェンスなど日本ではマイナーなジャンルのゲームに挑戦しているスクウェアエニックス、協力型FPSや通信カラオケなどオンライン専売ゲームならではの方向性を模索しているハドソン、その他アイデアひとつで大手メーカーに挑もうと頑張っている中小メーカーに土下座して謝るべきだ。

*1:これからのオンライン時代において、この障壁をいかにして乗り越えるかということは今後のゲーム業界を左右する大きな課題だといっていい。どんなにおもしろいオンラインゲームが発売されても、ユーザーがネットに接続出来なければ意味が無いからだ。ルーターネットワークアダプタなど必要な機材をそろえて本体の設定をする、ゲーマーならどうと言うことのない作業でも一般人にとっては未知の領域。わざわざ調べる手間を掛けるぐらいなら買わないというのが一般的な消費者の行動であり、これはどのコンテンツ産業も頭を悩ませる大きな問題である。そのわりに、いかにしてオンラインユーザーを増やすかと言う問題に真剣に取り組んでいるのが任天堂だけというのが不安で仕方ないのだが。SCEはまだしも、一般人を取り込む工夫に関してMSは完全にやる気がない