DQシリーズはすべてプレイした……1も2も3も4も5も6も7も8もFCもSFCもGBもGBCもPSもPS2もDSも携帯電話版もだ。唯一プレイしてないのはMSX版だけといっていい。リメイクされるたびに自分をあざけりながらも買い、無心でプレイした。モンスターズは配合システムが受け入れられなくてあまりやってないが。
プレイに関するやりこみや知識の量なら俺以上のフリークはいるだろうが、DQへの愛に関してなら決して負けるつもりはない。
その俺が言う……
 
 
なんだよ、IX……
おもしれーじゃねーかよ……
実は俺、こういう方向性大歓迎なんだよな。
6と7があまりにもひどいマンネリ状態に陥っていて、8でようやく初心に帰り、さあこれからだ、と俺は思っていたので、今後は大幅に内容を変えてくるだろうと踏んでいたのだ。その萌芽は海外版8ですでにあらわれつつあったしね。フルボイス化、GUIの大幅変更と国内版ではあえてオミットされていた要素をふんだんに盛り込んでいたから。とはいえDSというのは俺にも予想外だった。しかし完全3D化に挑んだ8を除けば、ハードの進化とゲームの内容はあまり関係のないシリーズなので、さほど心配はしていなかった。同時に、8でシナリオ重視の方向性は完全に捨てたということも悟ってしまったので、あまり期待もしなかったが。
 
以下、ダーマまで進めたところでの雑感を書く。あくまで俺は「有り」だと感じた上での内容なので、ネガティブキャンペーンをやりたい人は読まないほうが吉。
 
戦闘が始まるまで一時間かかるのはともかく(言い訳程度にイベント戦闘はある)、パーティー編成やマルチプレイができるまで二時間かかる仕様はちょっといただけない。マルチプレイを売りにしているならば、ゲームを始めた直後に利用可能にすべき。友達同士でいっしょに買ったときどうすんだよ。
 
キャラメイクは、パーツが少なすぎる感は否めない。どんなに頑張っても、似ない(笑)。ネタっぽいパーツがある点で多少救われたが。
とりあえず、真(戦士)とやよい(僧侶)と千早(魔法使い)と雪歩(なぜか盗賊)と貴音(魔法使い)と響(武闘家)を作った。とくに真と貴音と響は、われながら会心の出来だと思う。千早がショートヘアになってしまったのが残念の極み。前髪の分け目も違うし。亜美真美律子はパーツ的に無理。あずさ、美希は妥協すればなんとか。春香はリボンがゲーム中に出てきたら作る。たぶん5の娘(皿田きの子もどき)みたいになるだろうが。
涼は最適なパーツが女の方にしかない(笑)。
主人公は本名。銀髪赤目色黒眉無しベジータ頭。銀髪色黒はモンハンの自キャラから。最初はモヒカンにしようと思ったのだが、色黒キャラでそれをやるとまずウーブになってしまうので断念。モンハンでポルナレフ頭にしていたのを思い出し、結局ベジータ頭にした。赤目と眉無し(我愛羅みたいな顔)は、中二病の極致みたいなキャラを作りたかったからなのだが、ぜんぶ組み合わせたらなんとも中途半端なキャラになってしまった。せめて色白にすりゃよかったかとも思ったが、とりあえずサンディよりも黒いのでよし。
 
装備枠が持ち物欄と別個になっているのがシリーズらしくないとお思いのかたもいるだろうが、実はFC版1もそういう仕様である。装備がグラフィックに反映されてるのもなんとなく当時を思い出す(笑)。
まだ始めたばかりだからなのか、装備のバリエーションがあまり多くないので、結局みんな似たような見た目になってしまうな。とりあえずやよいはツインテールを目立たせるために意地でも帽子はかぶせない事にしよう。微妙な縛りプレイ。
 
転職が微妙にFF11っぽい仕様になっているのはマルチプレイを重視した結果か。マルチプレイでレベル差が出来てしまうとしんどいので、これでレベル調整をしてねということだろう。これで、レベルを一時的に相手プレイヤーに合わせる機能があればいうことはなかったのだが。
どっちにせよ、本作では経験値補正が入るようだからべつに気にしない。というか、6や7みたいな仕様にならなかっただけでもw まぁ、せめてスキル以外にも転職後に受け継がれる要素があればよかったかな、と思うのも無理はないが。


ガングロは、まぁ、こんなもんだろう。7の風の精霊のインパクトに比べれば、まだおとなしいほうじゃネ? このぐらいで引くとかオタクマジ受けるんですケド。っつかもっと突っ張って、絵文字ヘタ文字使うぐらいまで行ってくれてもよかった。いやさすがにヘタ文字は勘弁か(笑)。
(あとところどころで堀井の地がでるところがいとをかし)
意図的にムカつく奴にしてあるようだ。このDQNっぷりは初期の親善大使様*1を髣髴とさせる。あいつは後々更生したが、こいつは……なんか最後までこんな感じのような気がする。それはそれでいいや。
でも要所要所で入るカットインでこいつをかわいく表現したレベルファイブの底力はもっと評価されるべきだろう。
 
グラフィックといえば、3Dの主人公や主要キャラにたいして、村人などのモブキャラがドット絵になっているのはべつにかまわないのだが、遠近法の処理のせいか、手前にあるキャラが拡大されてドットが必要以上に粗く見えるのは……なんというか、ゼノギアスを思い出して色々とトラウマが……w せめてアンチエイリアス処理をかける余裕はなかったんだろうか。
戦闘の演出は8より格段にパワーアップしている。個人的に8の戦闘演出でもっとも不満だったのは、テンポの悪さもそうだが、何より主人公と敵が横一列に整列した状態で、お見合いのような戦いを繰り広げていたこと。このせいで、せっかくのPS2でのグラフィックが台無しになってしまっていた。9では敵味方がチョロチョロ動き回って、互いに激しく位置を入れ替えながら戦うという演出がくわえられている。あくまで演出のみであって、システム的に意味は無いのだが、少なくとも8の頃のようなシュールさは除かれた。反面、誰にどれだけダメージを与えたのかがわかりにくくなったというもんだいもあるものの、一方で、全体攻撃など、キャラ全体を映す必要のあるときは、瞬時に一列にキャラを並べなおすなど、細かく手を加えてある。もっとも、この演出自体はワイルドアームズ3rdなどですでにとられているから、決して新鮮なものではないが、いまだ敵味方が整列したまま戦うことの多い国産RPGの多くは大いに見習うべきだろう。テンポも8に比べれば若干とはいえ向上している。アニメーションの関係上、シリーズ最速と思われるPS2版5は及ばないものの、少なくともイライラはかなり軽減された。
 
シナリオは、このシリーズの6以降は、それまでの大河ドラマ的な壮大なストーリーを追うものから一話完結型の小さな話を積み重ねていく話に転換しており、本作もまた例に漏れず。7が好きで、8のシナリオが気に入らなかった自分にはこれで充分。ところどころ黒い話も見えるし。何かと「夫婦」に絡んだ話がよく出ているのだが、なんかの伏線だろうか。たんなる思い過ごしかもしれぬ。
 
 
今後どうなっていくのかはまだ知る由も無く、あくまでファーストインプレッションの域を出ないのだが。
物心のついた頃からDQ2があり、家族の名前をつけて3をプレイしていた父親を見て育ち、移植リメイクもろもろ含めすべてのバージョンを一通りプレイして、つまらない二次創作なんぞを書いて悦に入っている俺というひとりのしがないシリーズファンの立場から言わせてもらうなら。
これは立派なドラクエです。

*1:テイルズオブジアビスの主人公、ルークのこと。序盤はどうしようもないクズ野郎だった。