ゲームもマンガやアニメのように「複数巻構成」にすべき?
http://news.nicovideo.jp/watch/nw139167?marquee

記事で提案している販売形式に一番ちかいのだと、Wiiウェアの「逆襲のスペースインベーダー」あたりが特にそうかな。あれはステージ1だけ500円で、以下ステージ追加ごとに課金っていう販売方法だったと思う。案外、RPGみたいな長編よりも、STGみたいな短篇集形式でやっていくタイトルの方に向いているのかもな。
連作形式のゲームって、販売上やむを得ず分割されたタイトル(イースアークザラッドスパロボF)や、最初から全部出ることがあらかじめ決まっているタイトル(.hackなど)があるけど、その一方で1作目で高い評価を得るものの売上が振るわず打ち切り(シェンムー)っていうパターンも少なくないからなぁ。空の軌跡はどれに当たるんだろな?
携帯アプリならFF4TAやFFレジェンドなんかが代表的か。FF4TAは完結後にWiiPSPにも移植されているし、そういう方法でシリーズの拡大を狙っていくのも有りだろう(だから早いとこFFレジェンド移植してくれよスクエニ)。
一方でつきまとうのは打ち切りのリスク。つまらなくって打ち切りというケースならともかく、人気が出た頃にはもうお金がなくなってプロジェクト解散か、最悪会社がもう残ってませんっていう事例も数多い。あと、がんばって全部集めたけど作品としての総合満足度は単品タイトル1本分程度でした、っていうオチが待っていることも多いんだよな。結局水増ししただけじゃないの、みたいな。
そう考えると、色々迷走しつつも落ち着くところに落ち着いたゼノサーガは稀有な例なのだろうかね。大抵、ああいう形のタイトルってEp2以降が製作されないままプロジェクト解散になるか、Ep2の不評で打ち切られるのがオチだからなぁ。DSでわざわざ作りなおしてまでキッチリ完結にまで持ってったという意味では偉大なタイトルなのだろう。俺はあのゲーム大嫌いなんだけどね。
ゲームだとそのへんのリスク管理のノウハウが今ひとつ確立されてなくて、人気はあるのに打ち切りっていうケースに陥る例が連載漫画や連続ドラマに比べて多い気がするんだよな。だから、そういう手段について研究を重ねていくことには意義があると思う。どうやってシリーズを続行させていくための予算を組んでいくのか、とか。
ただ、我らがバンナムの悪行ばっかり目立っちゃってて、意味もなくプレイヤーから金をむしり取る悪質なDLCが、追加コンテンツに対するユーザーの信用を貶めているっていう現状には注意しないといけない。俺はバンナムの「売り方」については一欠片の信用も置いていないし、そういう風潮が蔓延してしまえば、こういった販売方式は瞬く間に頓挫する。現にDLCそのものに拒否反応を示しているユーザーも少なくない。
それからもうひとつ、ゲームのダウンロード販売に関して、未だ解決できてない問題がひとつあると思うんだけど、価格設定どうすんのよ、っていう。現状の、実質メーカー希望小売価格がそのまま定価になってるのは果たして健全なの? っていう疑問がどうしても拭えないんだ。
じゃあ中古市場やワゴンセールが健全な市場なのかよ、って問われると答えに窮するのだけど、ゲームって出版や音楽産業みたいに「文化事業」としての側面が政府によって保証されていないんだよな。である以上、需要と供給のバランスが価格に影響を与えるのは産業構造上避けられないことだと思うんだよ、俺としては。それを無理矢理売り手の都合で強引に価格を決めてびた一文まかりません、っていうのは、一種のカルテルみたいなもんじゃねえのか、と言いたいんだ。
じゃあどうすんのか、っていうと、たとえばsteamくらい柔軟に価格変動を起こせるシステムが日本にも必要なんだと思うんだよな。そのためには、現状のファーストパーティーだけが販売路を独占する形態に頼りきらずに、その他第三者によるダウンロード販売サイトが必要になってくるんじゃないかなぁ。iTunes Storeでも買えます、アマゾンでも買えます、DLサイトでもいいですよ、好きな所でDLしてね、っていう。まあ、それやっちゃうと権利問題でまたモメちゃうし、電子書籍ですら軌道に乗れてない現状で難しいかもしれないけど……。