昔の人が想像した未来予想図を今の視点から見つめ直すのは楽しい。昔の科学雑誌とかに載ってるようなやつにかぎらずとも。

【画像】昭和26年の少年誌の未来予測、泣ける……
http://news4vip.blog.so-net.ne.jp/2011-08-01-3

 
驚くべきなのは8割がたほとんど実現できているってことか。
1枚目の団地……はまあ、高度経済成長期の象徴みたいなもんだからともかくとして。戦後の復興期にこれを予測していた点においてはすごい、のかな。あの当時の人々が団地というものにどういうあこがれを抱いていたのかは興味があるけど……。現代っ子である俺ぐらいになるとあんなの狭いだけじゃんってなるし、買い物にも不便だしなあ。
2枚目はより具体的だ。実現済みのものには○、まだ実現されてないのは×、技術的には可能だが一般化はされてないのは△として検証してみよう。
ホバークラフト→あそこまで高く飛ぶ奴はまだ。×。
・立体テレビ→実用化はされ始めているがホログラム的な奴はまだ。△。
・自走電気掃除機→実現済み。でもあれが使える時点で既に十分綺麗だと思うのだがどうなのだろう。○。
・テレビ電話→実現済み。しかもそれを携帯したり全世界の人々に一斉に配信できるレベル。○。
・家庭用コンピューター→この時代と今とではコンピューターのもつイメージが違うから微妙だが、○。でも自動健康診断システムはさすがにまだムリかなぁ。
・自動エアコン→いうまでもなく○。冷房より除湿のほうが電気食うって知ってました?
・台所用ロボット→そもそも何をするロボットなのか不明。フォールアウト3にもいたよなこいつ。たぶん料理とか洗い物をしてくれるんだろうけど。料理はともかく自動食器洗い機はあるので△としておくか。ただ、冷凍食品やレトルト食品の発達が(安全性はともかく)近年はさらに著しいので、実質こんなロボットがいるのと同様なことは実現できているとはいえる。
・自走保温テーブル→需要不明。たぶん台所から茶の間まで自動的に料理が運ばれてくるところを想像したのだろう。料理をお盆に乗せて運ぶのって案外大変だしな。だがそんなもんが自走してきたら料理がこぼれないか? お茶くみ人形じゃあるまいし。×。
・家計用小型コンピュータ→あるといえばある。パソコンはもちろん、そういう携帯アプリもある。でも実際それを使いこなしている主婦の方々はどのくらいいるのだろう?一応、実現はしているし、手に入れる事自体は容易なので○。
自動アイロン→これは欲しい! というかアイロンそのものはあまり進歩している印象はないなあ。細かいマイナーチェンジは重ねているんだろうけど。×。
・そもそもこの宇宙船みたいな家はなんだ? ×。それにしても、どうしてSFものの未来人は揃いも揃ってピッチピチのボディースーツを着ているのだろうか。最近のガンダムですら例外ではないし。その中で(色彩はアレだが)フツーのファッションに身を固めているお母さんの安心感!
 やはり母は偉大か。髪型はサザエさんだけど。
こうしてみるとさすがに情報分野での発達が著しいなあ。画面下の「刺繍の模様まで教えてくれるコンピュータ」「家庭用テレビ電話」は言うまでもなし。自動車の修理点検はどうなんだろう? 車検はかなりオートメーション化が進んでおり、その関係でディーラーに頼らず自分で検査場に行くユーザー車検も増えていると聞くが、それだろうか。
3枚目は実現云々以前に謎が多いな。自動折檻マシーンもそうだが、右端でつったっている少年は何者だろうか? 見た目歩行補助具をつけているように見えなくもないが、別に足が悪いわけでもないようだし……。誰一人マジメに授業に取り組む気がないのもオンデマンド授業の欠点を示している気がする。予備校や大学レベルならともかく、小学生相手にそれはなあ。それはともかく、シャープと任天堂が共同でDSを授業に提供するシステムを実践中だそうなので興味のある方は一読されたし。個人的には、全教室にPC備え付けたり、孫正義の言うとおり生徒全員にiPad持たせるよりは安上がりだと思うんだがどうだろう。まあ、よほど本腰いれてやらないと絵に描いた餅で終わるだろうが。

授業支援システム 「ニンテンドーDS教室」
http://www.sharp-ssp.co.jp/ds/index.html

4枚目と5枚目はほとんど実現済みと言っていいだろうか? 4枚目左下のいろいろとコンピューターに予測させてる所はプロファイリングの一種と考えればアリだし、他の部分はほとんどがデータベースの話だ。5枚目にいたってはもう当たり前すぎてこれが「未来だった」という感覚すら、今の世代を生きる俺にはなかったりする。左下のカード電話だけちょっと引っかかったが、これはテレホンカードではなく電話番号を記録したカードのことらしい。要はケータイのアドレス帳のことだ。計算機を兼ねるところやそれで精算まで済ませてしまえるあたり、おサイフケータイまで先取りしていたとも言える。さすがにそれを持ち運べるところまでは予測がつかなかったようだ。右下の自動調理器はかなり微妙だが、ある意味コンビニの自動発注システムなどはコレに近いといえなくもない。果てしなくマズそうではあるが。
 
こうしてみるとやはり情報分野の発達がすさまじい勢いであることがわかる。しかし当時の最先端科学の専門家でも携帯電話の登場だけは見抜けなかった、というのがこの手の話では定説になっているな。
反面、ハードウェア関連に関してはそもそも必要かどうか不明なものもあり、実現度はそれなりというところだろう。もっとも、ほかの技術で同等のことができるようになっているので問題ないという話でもある。自動調理マシーンが冷凍食品の発達にとって代わられたようにである。もちろん安全性や環境への影響など、新しい課題はあるっちゃあるんだが。せめて希望にあふれた未来予想図を今の人も描ければな。少し前に見た「絶望の未来編」もちょっと笑ったのだが。