DSiはクソハードか?

http://www.nintendo.co.jp/ds/dsi.html
 ああ、カメラ機能はポケットカメラの方向性を目指したのか。それなら納得。ポケットカメラというのはゲームボーイ(なんとモノクロ時代)で発売されたカメラつきのおもちゃ(さすがにアレをゲームと呼ぶのはどうかと思った。おもしろかったけど)で、もちろんあのゲームボーイのちっこい、しかもモノクロ4階調というちょっとそれはカメラとしてどーなの、という性能の小型カメラがゲームボーイのカセット上部についていたもの。マリオペイントメイドインワリオに通じる、遊び心満載のインターフェイスミニゲームを搭載した、まさに「おもちゃ」な一本だった。連続写真を撮ってパラパラマンガを作ったり、写真を繋げて擬似パノラマ画面をつくったり(その機能を使って絵巻物風の画面をつくったり)、ガンプラの写真をシューティングのラスボスにしたりと、遊び手のアイデアが試される一品だった。ちなみに俺がハマったのはDJモード。一小節だけのループサウンドをつくれるという、いわゆるネタ機能なのだが、なんとGBの内臓音源の波形を自在にいじれるというとってもマニアックな機能がついていたのだった。しかもカメラ関係なかった。専用のポケットプリンタで印刷も可能だが、アレまで買った人はかなりのツワモノだと思う。もう用紙売ってないだろうし。レシート用紙とか使えるのかな、あれ。
 まあそれはともかく、小学生の間でピクトチャットかくれんぼが流行った、というニュースを見るに、子どもなら色々な遊び方を発見してくれそう。とくに「動くメモ帳」のパラパラマンガ作成機能と組み合わせればかなり遊べる、というのはポケットカメラで体験済みなので、そういった遊び方をどんどん提供していってほしいところ。
逆にゲームでの扱い方は難しそう。すでにケータイでカメラ対応ゲームが何本も発売されているが、成功したという話はとんと聞いたことが無い。「カメラを使ったゲーム」というよりも、「カメラそのもので遊ぶ」という方向性にシフトしていかないと、ヒット作をつくるのは難しいのかもしれない。
音楽再生機能がAACのみというのはかなり残念。やはり最低でもMP3には対応していないと、搭載する意味が無いと思う。需要はあるはず(というか俺が欲しい)なので、いつかがんばって搭載してくれ。
上画面タッチは諸刃の剣じゃないか? いやあればすごく便利な機能だというのはわかるんだが、そもそもDSi自体、実験的ハードの色彩が強いし(所詮マイナーチェンジだしね)、DSi専用ソフトもかつてのGBC専用ソフトほど普及するとも思えない。ただ、↓の展開次第では……
そして最大の目玉がこれ。「ニンテンドーDSiウェア
ついにDSにも内蔵メモリとソフトウェアのダウンロード機能が付いた。Wiiを起動したときバーチャルコンソールのアクションやシューティングを軽く1クレジットほど遊んでからディスクのゲームで遊ぶ、というスタイルで遊んでいる俺にとっては待望の機能である。さっそく脳トレの縮小版をリリース予定しているようだ。脳トレは一回5分〜15分程度で遊べるから、DSカードのゲームをやる合間に遊ぶには最適といえるだろう。個人的には問題を追加ダウンロードできる「えいご漬け」が欲しいかな。
 容量に関しては若干の不安があるが、もし十分な容量を確保できているなら、初代ゲームボーイゲームギアのゲームをダウンロードできるようになる可能性は十分にある。オリジナルタイトルにしても、上記の脳トレのようなミニゲームばかりでなく、ネザードメインWizardry外伝のケータイアプリ版タイトル)やサガ1のように小容量でもガッツリ遊べるゲームが展開されることに期待したい。でもまぁ、先述のカメラ機能が成功しない限り、DSi自体そんなに売れるとは思えないから、DS後継機への布石と見たほうがいいかもしれないなあ。
GBAスロットの廃止に関してはいろいろ言われているが、まぁ、仕方ないかなあ、という気もする。DSは今の時点でもう十分すぎるほどソフトが出ているわけだし、DSソフトのサブとしてはDSiウェアがあるわけだからね(あくまで成功すれば、の話だけど)。中古ゲームショップにあるGBAソフトもどんどん減少してるし、GBAのハードとしての使命は、もう終わったと見ていいと思う。PS2がバリバリ現役なのに互換性を切っちゃったPS3と違い、今のタイミングならまあ、いいんじゃないの、と。あとは俺みたいなレトロゲーム好きしかプレイせんだろうし。
総評としては、はじめは「えーっ」と思ったけど、よくよく話を聞いてみれば、なかなか面白そうなハードだなあ、でも売れねえだろうなー、と。ゲームボーイミクロやライトみたいなバリエーションのひとつとして終わるんだろうな、といった感。ただ、本体価格がDSLiteと同じくらいまで下がって、DSiDSLiteに取って代わる、という事態になったりすると、これは相当面白いことになると思う。ケータイアプリの中でもカメラを傾きセンサーとして使っているものがある、なんて話を聞いたこともあるし、カメラ機能だけでなく、内蔵メモリ機能は遊び方の幅がどんどん広がっていくから、これを利用したソフトが今後出てくれば、どんどん面白くなるな、と。

 

追記

 内蔵メモリじゃなくて、SDカードなのか。ん? ということはSDカードから直接データを読み込めるということ?
だとすると、携帯版バーチャルコンソールの可能性がますます真実味を帯びてくるなあ。すでにゲームアーカイブスという前例があるだけに、なおさら。

追記2

 恐らくは、2010年当たりに出す(根拠なし)新機種のための実験段階ってとこなんじゃないかね。次の機種でカメラか、あるいはそれに相当する何らかのインターフェイスを標準装備する予定があって、そのための様子見、とか。タッチパネルも加速度センサーも「いらねえよこんなの」と言われながら、オプションではなく、あくまで「標準装備」されたことによってここまで普及したんだ、って言う背景があるわけでね。そもそもケータイのカメラがほぼすべての機種に標準装備される、なんて事を十年前に予測した人はどれだけいるだろうか。SDカード対応は今後はずっとやっていくだろうし。だからまあ、売れなくても大して腹は痛むまいよ。