映画に触発されて(ウルトラ)

 DVDを借りはじめた。個人的にいちばん思い入れが深いのは初代マンだったりする。
3巻がもどって来るのが23日……待ってるのがつらいw
一話完結なんだから何から見ても大して変わらないとわかっているのだけれど、なんかこだわりたいのよね。
 

ただの子供向けキャラじゃないのよ(含ネタバレ)

 今回の映画(ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟)のゲストキャラであるタカト少年。ウルトラマンが子供向け番組である以上、どうしても入れなければならなかった大人の事情的キャラだと思って、仕方ない気持ちで見ていたんだけど、近くの席で聞こえた親子の会話を見て、ハッと気がついた。
「どうしてタカトくんはウルトラマンが嫌いなの?」
「昔怪獣が来たときにウルトラマンが助けに来てくれなかったからじゃないかな」
 たしかにその通りである。ウルトラマンが戦っている陰で救いきれなかった人々がいるというのは、シリーズに共通するテーマのひとつだ。とくに今作「メビウス」第一話の「ぜんぜん守れてねえじゃねえか!」というセリフからもわかるように、今回の若いメビウスはヒーローというテーマそのものに切り込む視点から描かれている。
 だが、タカト少年というキャラクターが背負っていた役割はそれだけではない。
 そもそも、ウルトラマンが助けに来なかったことをうらんでいたのなら、そのように描写すればストレートに話は伝わる。
 しかし、実際のタカト少年は、恐ろしい怪獣にすくみあがってしまい、愛犬を助けに行けなかった自分自身に腹を立てていたのだ。
 つまり、ヒーローにあこがれていたがなれなかった、あるいは夢を実現してもその途中で大きな挫折を味わったり、仕事の中で現実と理想のギャップに悩まされている、いまの子供たちのお父さんの姿を象徴してもいるのだ。俺に子供はいないが実生活を振り返ると、僭越ながらもなかなかしんどかったりするので、そういう気持ちは何パーセントかは理解できると思っている。景気も良くなってきたとは、とても思えないしね。で、そういうお父さんたちも一緒に、ウルトラマンから勇気をもらう、という二重の構造になっているわけだ。こういうことをやるためには、タカト少年というキャラクターが登場するのは、もはや必然であったわけだな。しかし彼の演技は子役のなかでもトップクラスだなあ。