デス種 今日のできにはさすがにキレた

 あーあ。
 ついにやってはいけないことをやってしまったなー。
 一緒に見ていた下の妹(腐れ気味)が気分を悪くして部屋から出て行ってしまったのが印象的だったわ。
 
 何から突っ込めばいいのかもわからん。どこまで笑えるか楽しみにして毎週みていたのだが、まさかここまでひどくなるとは思いもよらなかった。ニヤニヤしながら見てればいいやという次元すらも超越した。
 
 今日の主たるツッコミポイントはみっつ。

  • ホーク姉妹の恋の鞘当て。本当にギャルゲくさくてかなわん。
  • 朝日新聞でも載せない中学生か平和教信者の投稿のような議長の戦争論
  • レイ様。

 
 まず1。おまえら、
 そんなにアスランが好きかーーーー!!!!
 なんでこいつらはいつもいつもスイッチが入ったら突然性格が変わる!
 メイリン、お前はいつアスランとのフラグを立てたんだ! いつ!!
 今までメイリンアスランは一切の接触をしていない。まともに口をきいたこともない。どう考えてもフラグの立てようがない。
 となると、これはメイリンの姉に対する執着心が呼び起こしたものと考えられる。つまり、姉はパイロットとして活躍(してないけど)しており、自分はオペレーター(とは名ばかりのウグイス嬢だが)である。しかも姉のほうはパイロット同士という間柄から「伝説の英雄」アスランとあんなに親しくしている(ように見える)。彼女的にはなんともおもしろくない状況だ。だから姉にちょっかいを出す。アスランを取り合うという形で。だからメイリンアスランを見ているのではなく、その向こうにいる姉を見て、本当の意味で自分を認めて欲しいと思っている。
 なんて妄想をGガンダムのレインがネオドイツのクルーになる話を見ながら働かせてみたりもしたが、なぜこのシーンが違和感だらけなのかといえば、そー言うことをにおわせる「日常の描写」がこの姉妹には一切抜けているからなのだ。シャワー浴びながらストーリーの補足をするのは日常描写ではない。そこに感情の起伏がなければ、三石がナレーションをやっているのとなんの変わりもない。
 たとえるならそれは年表だけを丸暗記して歴史を勉強した気になっているようなもんだ。そんなやり方で誰が歴史が好きになるもんか。テストにでたからって新撰組が好きな奴がいるもんかよ。
 日常描写というのはたとえば姉の不調っぷりを妹がとがめて姉妹仲が悪くなったり、姉への憧れというものを整備兵くんに熱く語ったり、休息中にシミュレーターをやって自分のパイロット能力の無さを嘆いたり、そういった人間の生々しい部分を描くもんではないのか。それともあれか、ルナマリアたんはウンコをしないのか。バカヤロウ、メシくってウンコしねえ人間がどこにいるんだよ。だからキモいんだよお前ら。
 けっきょく、オタクに同人誌を書かせるネタを提供することに終始して、一本のドラマになっていないのだ。だから出るネタ出るネタどれも単発で、前後で矛盾だらけになる。
 
 ちなみに、ミーア様の電波ソングに関しては「ニセモノっぽさ」を出す方法として理解できる。なぜ演出がことごとく80年代アイドルのノリなのかは不明だが。
 
 次に2。
 なんでいまさら「すべてはフリーメーソンの陰謀だったんだよ!」「な、なんだってー」をやらなきゃならないんだ。それでことがすめばこんな楽な話はないだろ。
 こんなお子様理論、高校生でも騙されねえぞ。
 戦争が起きる理由というのはけっきょくのところ、その時その時の状況によって変わるものなので、無理にすべての戦争に理由をつけると「人間の闘争本能がうんたら〜」みたいな、つかみどころのない抽象論か、今回のようなトンデモ論に陥ってしまうのだ。
 今回のマユゲが戦争をするその最大目的は「コーディネーターの抹殺」であって(これもかなりのお子チャマっぷりだが)、その為にいきなり核をぶっぱなしたのだ。もしこれで戦争が終わってしまったら、いったい誰が儲かるというのか。これでは売れたのはミサイル一個、後には鉄くずしか残らない。ロゴスの大元締めはジャンク屋なのか? 納得のできる回答を待つ。
 
 最後に3。ついに最後の城が落ちた。
 確かにここに来て突然の彼のあの行動は視聴者のドギモを抜くという意味ではじゅうぶん効果的ではあったし、彼の出生の秘密を考えさせる伏線としても有効ではあるだろう。
 でもなあ。
 やっていいことと悪いことがあるんじゃないのか。
 いくらヤオイが好きだからって、こんなことをやっていれば腐女子からも見放されるんじゃないのか*1
 なんでこれほどの知名度があってスポンサーの体制もバッチリな作品でこんなことをやって嫁さんが更迭されないんだ。
 今回の失態は嫁さんが愛情表現の仕方を知らないことに起因するもんだろ。
 確かにね、レイの生い立ち(というか、前作との関連性)を考えれば、彼が議長に愛情以上のものを抱いていてもおかしくはないだろうさ。綾波とかもそんな奴だったな。あるいはグレミープルツーに対してロザミィばりの強力なマインドコントロールをかけていれば、ああいう反応もあるだろう。
 ああそうさ、一兆歩譲ってレイの行動を認めてやるさ。ちゃんと後で納得のいく説明ができるもんならな。
 でもさ、なんでアレだけすごい行動をやって、タリアは横で見てるだけなんだよ。だからあんたは無能なんだよ。どんなにアーサーをバカっぽく描いて、相対的にタリアがさも有能であるかのように見せかけても。そこで議長に対してなんかコメントするとか、レイの異常っぷりを気味悪がるとか、何かしらの反応を示さないと、タリアだけでなくレイのキャラクターまでもが成立しなくなってしまうだろ。
 
 ここ最近のデス種のブットビ振りをみてると、もはや完全にふっきれてギャグアニメの道を歩んでいるようにも見える。それは日本のアニメの衰退っぷりを見事すぎるくらいに象徴しているんでないか。それとも俺が異常なのか。
 
次回予告
『艦長! シンの奴が、新米の兵隊がよくかかる病気になっているんだ』
『こちら側の予想を遥かに下回る超展開をこうも見せ付けられれば、病気にもなるわよ』『しかし、戦いはまだあとふたクールも残ってるんだぞ!』
『あっ、大きな星がついたり消えたりしている!』
『逃げるな!』
 
 
 作画がメチャクチャなのは……もういいです。正直ここまでスケジュールがパンパンになってれば、同情もしますよ。ああこんな絵描いてる同人作家いたなぁって感じ。


僕らの音楽について

 もうみんな突っ込んでいるだろうと思うけど、我慢ができないので書く。
 ガンダムのガの字も知らないような人間が、スポンサーから「今回のテーマはデス種の主題歌で行くから、とにかく最新作を宣伝しまくってくれ」と言われれば、今回のような内容にもなるだろう。福田がしゃべったことよりも、番組の編集のやりかた、鳥越のインタビューの仕方のほうがよっぽど気になった。
 ガンダムというブランドの大きさを知らないか、あるいはよほどの悪意を過去の作品に抱いているのでもなければ、こうも過去作品を貶めるようなナレーションは、ふつうはやらない。25年も続くシリーズで、どの作品も個性が強いから、ファンの層も極めて厚い。
 そんな人たちの前で「1st以降∀に至るまでヒットと呼べるものが出なかった」なんて言われてみろ。怒らないほうがどうかしている。それを鳥越は堂々と公共の電波を使って言ってのけた。言わされてしまった。インタビュー画面では特に主題歌に限定して話をしていたが、それでも種とそれ以前の作品では主題歌の位置づけが違う。コンセプトや宣伝費、アニメを取り巻く環境自体がちがうのだから売り上げが変わって当然なのに、あたかも種の主題歌が過去作のものに比べて優れているかのような宣伝の仕方であり、そこにリスペクトというものは微塵も存在しない。おそらく福田が「今までの作品ではあんまり音楽に気を使ってなかった」という発言をやったのも、直前の鳥越の質問が「1st以来初のヒットとなったわけですが」的な内容を含んでいたから、その通りに答えてしまったんだと思う。
 そして1st中でもかなり特徴的な顔をしているカイとブライトを、それぞれイザークアスランとを並べて比較しやがった。あたかも1stが種に比べて劣っているかのごとく。
 カイとブライトがイモだと言うのではない。25年という時を経れば、ファッションのセンスが変わるようにキャラの顔など変わって当然だ。だが25年前のファッションを公共の電波を使ってバカにしてみせる奴はいない。なのにこの番組はそれをやりやがった。25年という時間の長さを知らないからだ。
 ほかの作品を貶めて相対的に自分のやっているものが優れているように見せかけるのは、あくまでも個人が責任を持って感想として述べるのならばともかく、宣伝番組という媒体では決してやってはいけないことではないのか。
 
 あと、肝心の歌について。
 腐っても鯛、曲がりなりにも実績のある西川はともかく、玉置とハイ&マイティカラーズは完全に馬脚を現してしまった。所詮アニメ歌手なんざこんなもんなのだ。見ている側もプロデュースしてる側もそんな認識でやっているから、玉置なんか前作が終わった瞬間に鳴かず飛ばずになってしまったではないか。

*1:と思ったら意外と皆様がたには好評だったようである。世の中広いね。