家庭用RPGツクールの話(2000・XPにあらず)

 いや、妹二号がなんかRPGツクール3やりはじめたんですよ。プレステの。で、テストプレイとかスクリプト解説とか手伝わされてるんですけどね。いやー、なんか懐かしいなぁ。小学生のころとかスゲー燃えた。最初にツクールの存在を知ったのは今は無きファミマガスーパーファミコンの、家庭用シリーズ第一作だった。もう画面写真の魔法作成画面とか、イベントエディターのソースコードとか、作成例のスクリーンショットとか見るたびに目に涙が浮かんできてさぁ。物心ついたときからゲームやってるけど、ゲーム雑誌読んでてあの時ほど興奮したことはなかったな。もうページがボロボロになるまで読んだ*1。もう親にはあの手この手でせがみまくって。で、発売後はサルのようにやりこんだ。友達にも紹介して、みんなでスゲーRPGを作ろうとしてた。「ゼッテェ賞金とってやる!」って。俺は超正統派大作志向のRPGを企画してた(←いちばん賞金に遠いパターン)。ところが一緒につくってた友人が、やたらと電波なゲームばっかつくるんですよ。
●城の彫像を調べるとなぜか彫像が叫ぶ。意味なし。
●町人がやたらと「!」マークを並べる。少年ジャンプなど目ではないくらいに。おかげで容量がアットいうまになくなる。
●なんとなく石碑のスイッチを押すと大魔王が復活する。
●近所の模型店(実在)で万引きができる。が、おばちゃんにばれて惨殺される。
こんなのをえんえんとツクール4が出るまで作ってて。これじゃー賞金は無理だよなーとか思いながら、みんなでそいつの電波っぷりに爆笑してた。小中学生の作るゲームなんてそのぐらいがちょうどいいんだけどね。
 でもさ、当時俺の家にはテレビが一台しかなかったのよ。うちの教育方針でさ、「個人の部屋にTVがあると絶対に堕落する」と。*2で、ちょうど小学校高学年〜中学ぐらいってさ、親が異様に気になるお年頃で。とにかく、自分の作ったRPGを見られるのが恥ずかしかったのね。だから、ほとんどツクールをいじるヒマは無かった。ようやくそういう呪縛から逃れて、本当に自分で好き勝手にゲーム作りに没頭できるようになったころには、自分の中にあったアイデアはみんな枯れてどっかにいっちゃった。あれから惰性で新作の家庭用ツクールがでるたびに買ってるけど、本当は一本もゲームを完成させたためしなんか無い。
 だからというかなんというか、この春休みを使ってなんかゲームつくってみようか、と。とにかく「完成させる」ことだけを念頭において。まぁ、いつ出来上がるかどうかは知らんけどね。あー、でも俺の立てる企画っていつも倒れるからな。なんとかせねば。

家庭用ツクールの魅力とは

さて、なぜ今家庭用ツクールなのか? windowsだったらなんでも出来る上にお手軽ネット配信可能な2000やXPがあるじゃないか、と思われる方もいることだろう。
これに対する答えは三つ。ちがった四つだ!

  • グラフィックや音楽などの素材集めがめんどくさい
  • 仕様的に不自由な方が燃える
  • マイナー趣味の自己満足
  • 素材が99パーセント同じなので、他のユーザーと比較したときに使い方の違いがわかりやすい

とまぁこんなところで。

各家庭用RPGツクールを簡単にレビュー

RPGツクール SUPER DANTE (SFC

音楽・グラフィックは今にも通用するレベルじゃあるまいか。今から見ると容量が少なく、DQ1に毛が生えたくらいのシナリオ量だが、この頃から既に漢字が16文字だけながら使えたりする。アイテムが一人10個までしかもてず、魔法が一人10個までしか覚えられない(それ以上覚えようとすると、忘れる)点を除けば、この時点で既に基本的なRPGが作れちゃったりする。(もちろんやりようではこれで超作品も作れる)
ターボファイルツイン対応でゲームを三つまで保存可能。

RPGツクール2 (SFC

グラフィックはちと荒くなった気がするが、音楽の凄さは健在。シナリオ量が4倍に増え(ついでに漢字も96文字に増え)、うまくやればDQ2くらいの大作が作れるようになった。フィールド自作機能がつく。イベント周りも地味にパワーアップ。アイテム、魔法の所有制限がなくなる。別売りの「かなでーる」とサテラビュー用メモリーパックの組み合わせで作曲も可能。使い勝手最悪だし、メモリーパックもってる人間なんてバーチャルボーイ持ってる人間の数より少ない気がする。俺両方持ってるけどね…orz
ターボファイルツインには今回も対応しているが、実はメモリーパックにも保存できる上に扱いがターボファイルに比べてはるかに簡単、容量もデカイとあって、地味ながらも大活躍。

RPGツクール3 (PS)

シリーズ最高傑作と名高い3。なんといってもメモリーカードを使ってシナリオを無限に作れるのが強み。グラフィックは色数こそ増えたもののさらに荒くなった。音楽は……。しかしながら、マップエディターが大幅にパワーアップ。特に場面マップは容量節約+バリエーションの多さが圧倒的。仕様として必ず2刀流が出来てしまう……いちおう対処方法はあるけど。キャラグラフィック自作可能、別売りの「かなでーる2」で作曲が可能。今回はメモリーカードなのでそこそこ普及。また電撃PSなどの各種雑誌が、読者の投稿データをCD-ROMで配布。数々の名作を生み出す。

RPGツクール4 (PS)

長い長い発売延期の末にようやく発売された。途中でアスキーエンターブレインに分社し、GUIが大幅に変更されて俺の不安をかきたてていた。どこからどう見てもFF丸出しの戦闘システムは好評を得るものの、それ以外の部分がてんでなっていないという悪夢のようなツクール。3からさらにもう一段階荒くなったグラフィック、ショボショボの音楽はまァしかたないにせよ、次から次へと迫るバグの嵐、さらに自作曲や自作グラフィックは使うたびにメモリーカードから読み込む*3、マップを一個自作するともう容量切れなど、数々の汚点を残し消え去った。ただし、変数や職業システムなどが充実しているので、ウィザードリィのごとくただひたすらダンジョン攻め続けるRPGRPG以外のゲーム(アクションとかパズルとか)を作るのには適している、といえなくもない。

RPGツクール5 (PS2

最強のツクール。最強すぎて素人が手を出すとたちまち石にされてしまう、そんなツクール。
一見するとただのドラクエツクールだが、実はRPGじゃないものまで作れる。実際これでゼルダアクションRPGを作った神がおり(現在活動休止中)、この次のツクールの影響もあって急激にユーザーが増えている。
とにかくなんでもできる。たとえば汎用戦闘シーンはドラクエ式フロントビューだが、それさえ除けばメッセージ、エフェクト、ダメージの計算式から戦闘中のイベント、敵の行動パターンに至るまで自由に作成できる。ポリゴンだからキャラの拡大縮小も自由自在。武器だってアルテマウェポンは当たり前、レイアースの「成長する鎧」から弾丸消費制の銃から銀のタロットからチキンナイフから、ありとあらゆるものを作成可能。
ただし、使いこなせるようになるまでが異様に難しく、またグラフィックがレゴブロックみたいなポリゴン、作曲不可、メモリーカードは一枚しか使えないなど、欠点も多い。音楽は久々に見事。

RPGツクール (PS2

最弱のツクール。最弱すぎて玄人が手を出すとたちまち砕け散ってしまう、そんなツクール。
一見するとドラクエ8ツクールだが、とにかく何にも出来ない。3Dだからメタルギアソリッドよろしくカメラワークを生かした演出が出来るかと思えば、そんなことは一切出来ず、会話シーンは出来損ないのアドベンチャーゲームみたいのをえんえんたれ流すことしか出来ない(スパロボのインターミッション画面がいちばんこれに近いと思ふ)。グラフィックが無意味に洋ゲー風味でひたすらゴツく、動きもロボットダンスくさい。イベントで横に倒れることも出来ないし(5ではできたんだよ! 指人形だけど!)、座るなんてもってのほか。いちおう顔絵も用意されてはいるが、風刺画っぽいのとかディズニーくさいのとかアメコミの表紙みたいなのとかしかない。そして何をするにもひたすらローディングの嵐。メニュー開いただけでNow loadingの文字が出る、戦闘に至っては五秒も読み込む、エンカウント率最低にしても敵出すぎ。また本作はGBシリーズの延長線上にあるのか、ダンジョンは壁に穴掘っただけ(ポリゴンなのに高低差を生かしたマップが作れない)、街に人を10人しか置けない、建物に家具を自由に配置できない等容量節約もバッチリだ! ってそんなことをPS2の大容量メモリーカードに向かって言われても。
ただ、音楽だけは素晴らしい。洋ゲーテイストがいい方向に出ていて、ロードオブザリングのごとき壮大なオーケストラやケルト民族風のまったり感はいい味を出していた。

RPGツクールGB & GB2

まさかゲームボーイRPGを作る時代になるとは思わなかった。ゲームボーイだから当然容量の壁は分厚く、アイテム名6文字までとか、マップ作成がすんごく大雑把だとか、そもそも電池もたねーよとか、いろいろ問題もあることはあるが、それにしてもSFC時代からすれば作りやすくなったもんである。
実は何気に音楽がよい。
ちなみにGB2は唯一未プレイだが、コロコロコミックとのタイアップがあったらしく、なぜか「うちゅう人田中太郎」がもれなくついてくる。

RPGツクール アドバンス

実は何気に音楽がひどい。それはともかく、やっぱりアドバンスということもあって作りやすさには最大限の配慮をしている模様。
音楽

*1:ちなみにその年のちょっと前のファミマガに俺に二度と消えないトラウマを植えつけた旧約メガテンのアルテミス様のイラストがあった。当時は対処方法を知らなかったので、非常にモドカシイ思いをした。

*2:高校卒業が決まったとき、ようやく許可をいただいた。そうしたら本当に堕落した。

*3:3ではゲームを始めるときに読み込んでいたので何の問題も無く使えた