3DSに注目が集まる中で、俺がちょっと期待しているWiiのタイトルがJust Dance
フランスのユービーアイソフトによるダンスゲームで、当初は全くといっていいほど注目されていなかったのだが、欧州を中心にじわじわと売れ行きを伸ばしていき、気がつけば500万本、続編の「2」は760万本という売上を達成。Wiiでもっとも売れたサードパーティー製ソフトとなった。
その日本版が10月、大幅なローカライズを加えて発売される。販売は任天堂。UBIは日本法人もあるので、これには少し驚いたが、CMとPVを見て納得。

ヘビーローテーションの「くるっ」とターンするところにちょっと萌えた。
俺がこのタイトルに注目しているのは、いわゆるゲームオタク(俺含む)の思い込みを片っぱしから覆してきたタイトルだからなんだよね。

  • Wiiサードパーティー製は売れない → 全世界累計1200万本もの怪物的セールスを記録。日本版は任天堂販売だけど。
  • リモコンで全身の動きを検知できるはずがない、と大手レビューサイトでも低評価 → 詳細な判定なんて別に必要なかった。要は楽しく踊れればいいのだ!
  • 洋ゲーってFPSばっかりでしょ? → ダンスゲームですが何か
  • 音ゲーはもうマニア向けになってるよね → ライト向けに作りました

イノベーションってこういうところから起きるんじゃないか、というひとつのモデルケースだと思うんですよ。ダンスゲームとしては特に新しいことをやっているわけじゃない(単純に技術だけでいったら、キネクトとかもあるわけだし)んだけど、設計のうまさで成功しているっていうところも含め。
で、なんでUBIは日本法人も持ってるのに任天堂が販売してるの? ってことなんだけど、これはおそらく日本市場の独自性をもっともよく知り尽くしているのが任天堂だから、というのがあるんじゃないかな、と勝手に思っていたりする。大ヒットタイトルなのに今まで日本で発売されなかったのは、UBIが日本市場の動向を掴みかねていたからなんじゃないかな、と。
そこに、堂々とAKB48の楽曲を中心にすえて、収録曲の3分の2をJ-POPに変更し、さらに女子高生をメインターゲットとしたコマーシャルをうつ、画面から徹底的にバタ臭さを消し、あたかも最初から日本で作られていたかのような雰囲気を演出する。本当に日本で売りたければここまで徹底して作り変える努力が必要なんだろう、というのはこれまで海外でさんざん注目を集めていながら日本で売れなかった数々の洋ゲータイトルを考えると、なるほどと思うんだよな。そして、これほど大胆なローカライズをやることのできるのは任天堂の卓抜したマーケティング能力の賜物だろう。
最近のJ-POPに興味がない人にとっては不満の出る変更かもしれない(なんでKARAが2曲も入ってるんだろう? とか)が、これをきっかけに日本でもダンスゲームが再定着していけば面白い事になるんじゃないかなと思う。DDRにくらべれば少しは住宅にも優しい……はずだし。
海外版ではDLCによる楽曲販売(SDカードに保存)などもやっているようだし、日本でもそういうことができるようにならないかなぁ。できれば、アイマスみたいなえげつないのじゃなくて。