昨年末の忘年会にて後輩のS君より「何かおすすめの動画ありませんか」と訊かれたので、
「このところ『ゆっくり実況シリーズ』が面白くてしかたない」と答えておいた。
フリーの合成音声、いわゆる「ゆっくりボイス」を使用して解説を交えながらゲームをプレイしていくという動画ジャンル。
ゲーム実況動画の多くは基本的に素人のトークであるから、ある程度聞き慣れていないと馴染みにくいという問題があるんだけど、合成音声を使うことである程度の聞き取りやすさを補っている。まあ、ゆっくりボイス自体イントネーションが独特だから、それに馴染めるかどうかではあるが。
加えて編集の関係上ボイスを入れるのは後付になるから、その分丁寧な解説を見ることが出来るようになっている。
反面、初見でそのゲームに触れる人の実況を見るような臨場感は薄れるが、そこは好き好きというところだろう。
そのなかでもいちばんのオススメが「桃鉄ハンデ戦」シリーズ。

最強クラスのコンピュータを容赦なく叩き伏せる動画。単なるプログラムに過ぎないはずの敵コンピュータたちがかわいく見えてくる。昔俺がSFC桃鉄で99年プレイしたときはコンピュータに完膚なきまでにやられたので、リベンジを果たしてみたくなる。
このシリーズで取られている、「貧乏神をひたすら嫌ってサイコロを増やすカードを常に数枚確保しておく」という戦術は、かの勝間和代先生もオススメの作戦らしい。
 

中古のゲームには昔の持ち主のセーブデータが入っていることがある。RPGツクールであれば当然、前の持ち主がつくっていたRPGが入っているわけだ。
そんな人の黒歴史を覗いてみちゃおうという動画。もっとも、SFCRPGツクールは主な購買層が小学生であるため、いわゆる中二病バリバリの、小っ恥ずかしくなるようなシナリオを見ることはあまりなく、むしろ小学生のラクガキのような荒唐無稽な発想を見せつけられるモノが意外と多い。童心に帰る瞬間もまた、この動画の魅力だ。
くわえて9割近い作品が「途中で飽きた」「バグ」「容量切れ」といった理由で唐突に終了しており、いつゲーム続行が不可能になるかというハラハラ感が中毒性をいっそう増している。最後まで完結させることの難しさを物語っているといえる(俺も人のことは言えない)。大作を指向していながらあえなく容量の壁に敗れたもの、完結したがなぜかとつぜんバッドエンドを迎える物、身内ネタに終始するもの、連作のうちの一本らしきもの等、先の読めない展開はアマチュア作品ならではといえるだろう。
「戦闘バランスがしっかり取れている作品」「エンディングまで作ってある作品」「容量を使い切った作品」などは殿堂入りといえるが、一方で作者のぶっ飛びまくったセンスゆえに忘れられないインパクトを放つものもある。

とりあえず入門者向けとしてこちらをどうぞ。素人にしておくにはもったいなさ過ぎるセンス。