クソゲー作りたい

今日はずっとそんなことを考えていた。
なんでクソゲーかって?
そりゃあ、俺には名作を作るだけの実力なんかありゃしないからだ。
そして笑いながら作れて笑いながら遊べる、そんな気分でやりたいからだ。単なる自己満足でやりたいからだ。
作文嫌いの話で思い出したのだが、俺はどうやら良いものを作ろうと思えば思うほど何も作れなくなるらしい。
それは自惚れではなく、ただ単に物作りの才能がないだけなのだ。オリジナリティのかけらも持ち合わせていないのだ。
自分がかかわった作品のなかで、百パーセントの満足を得た作品などひとつたりともない。というか、チームの中ではいちばん出来がヘタクソである。つくづく自分は無能だと思う。
そして俺は、努力というものが何よりも嫌いだ。部員名簿の嫌いな物の欄に書いておけばよかったと思っているくらいだ。
だから、いつまでたっても上達しない。チームの仲間には迷惑ばかりかけている。単なる下手の横好きだ。典型的なダメ人間だ。
でも、俺は楽しくなければ何も出来ないのだ。自分が楽しいと思えなければ、ただでさえほんのちょびっとしかない実力の一割も出せないのだ。情けないことに。
俺はそうやって三年間も仲間に迷惑をかけてしまった。作品全体のクオリティを下げている元凶は俺だ。これはまぎれもない事実だ。
でも、俺は制作をやめたくはない。ヘタクソなうえに努力も嫌いだが、ものを作ることは大好きだからだ。
こんな俺はサークルにとってはキングボンビー級の疫病神だろう。だから部員名簿の右下には「疫」と書いた。
こんな俺はとてもプロのクリエーターになどなれはしないだろう。なりたいけど、俺には才能が無い。
でも。
楽しく作れれば、それでいいじゃないか。
嫌なものを泣きながらつくって、百点をもらうのは、それは価値のあることなのだろう。
例え赤点を食らおうとも、心の底から楽しんでつくって、思う存分自己満足に浸れる作品のほうが、俺は好きなのだ。

「うわIJUの奴サボりの言い訳なんかしてるよ」
「実力もないくせになに偉そうなこといってるのかね」
「新人がまねしたらどうするのよ」
「死ねばいいのに」
 
 
 


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 ‐ニ三ニ‐